FC2ブログ

工房うるわ(URUWA)の石つれづれ

採集から加工販売まで行う管理人の石(鉱物)あれこれ
MENU

開店準備の合間に

最近は、ネット販売の準備で忙しくてデスクワークばかり。
でもこのままだと腕が落ちてしまうので
久しぶりに少しだけ石と向きあいました。

やっぱりいいものです!

自然の作品である石と語り合いながら
美しさをどうやったら引き出せるか?

描きためたデザイン画はたくさんありますが
実際に石と向き合うと
その石のもつ質感、模様のもつ重量感などを感じながら作業をすることになり
思いもよらない方向に進んで行くこともあります。

今日は作りかけの角閃石が舞う小滝産翡翠を・・・IMG_3090 のコピー

彫金の手法でよく使われるようにヤニで固定してから・・・
IMG_3091.jpg

ボール盤で穴をあけました。

1分もかからずに穴があきました。
縄文人さんごめん!文明の利器って凄いでしょう?
IMG_3092.jpg
ところがその後、形を整えて行く中で微妙な石目を発見。

強度には問題ないものでしたが
トップの部分でひもなどがかかる部分だったので
念のために急遽デザインを変更することに・・・
さてどのように仕上がるかお楽しみに!

機械が使えるといういい時代に生まれたのだから
縄文人もビックリ!のいい作品をいっぱいつくりたいな〜

スポンサーサイト



翡翠あれこれ4

糸魚川の翡翠の緑色部分は、鉄を含むオンファス輝石であるという説は、今では広く知られているようです。
ただ、前回紹介した翡翠のように角閃石(緑色の場合はアクチノ閃石の場合が多い)によって緑の模様が入る場合もあります。

それから緑色の翡翠はオンファス輝石だから厳密には翡翠ではない、という言い方をする人もいますが、普通はオンファス輝石も翡翠の一部と考えて良いものです。「翡翠」という言葉と、鉱物学で定義される「翡翠輝石」という言葉がイコールにならないことが、様々な混乱を招いています。

またよく言われているのが、ミャンマーの緑色翡翠はクロムが発色の原因だが、糸魚川のものは鉄によるという説ですが・・・
糸魚川の鮮やかな緑色翡翠の中には、分析すると鉄だけでなく微量のクロムが出るものもあるみたいですし、ミャンマー産翡翠でもクロムでなく鉄によって発色しているものもあるようです。
いずれにしても、色がとても鮮やかなものはクロムが関わっている可能性が高いとのことで、糸魚川翡翠の中にもコスモクロア輝石というクロムがとても多い輝石類が見つかっているようです。

※糸魚川のコスモクロア輝石については、角閃石中にでるもの(廣川標本が特に有名)、翡翠に入ったもの、ロジン岩にでるものの3パターンがあるとのことです。

そんな鮮やかな翡翠は滅多に見つからないので、今回は、これは鉄の入ったオンファス輝石による発色だろうなと思われる翡翠を紹介します。

P9076164.jpg
翡翠(オンファス輝石岩) Jade(omphacite) 採集品
新潟県糸魚川市青海川 FoV=90mm

この石はあまりに色が濃く、翡翠らしい結晶も見えなく、しかも帯状の白い部分があり、てっきり石英系の石(チャートや碧玉など)かと思って捨てていたものです。
ですが、あるときなんか違うなという気がして比重を計ってみると、3程度ありました。
非常に緻密で結晶がほとんど見えないタイプですが、改めて高倍率のルーペで見てみると、翡翠らしい質感を観察することができました。白い部分はおそらくペクトライトかぶどう石ではないかと思います。不純物が多いため比重は翡翠の比重(3.2-3.4)より低めですが、石英系の石(2.7)ではありえない値です。

次は浜で拾った石です。
P9096230.jpg
翡翠(オンファス輝石岩) Jade(omphacite) 採集品
新潟県糸魚川市海岸 FoV=70mm

P9096234.jpg
同上(裏面)
この石も非常に緻密で結晶がほぼ見えません。やはり色からして石英系の石かと思いましたが、質感がちょっと違うし、なんとなく風格があると感じました。角閃石による軟玉系の石とはまた違った質感であり、比重が3.2あったので、翡翠の一種であるオンファス輝石で間違いないと思っています。こういった色が濃くて緻密で透明感のないものは、翡翠とは区別してそのまま「オンファス輝石」と呼ぶ人もいるようです。

1枚目のものは青海川産なので、金山谷翡翠の一種のような気もします。しかし2枚目のものは確かに「翡翠」には見えず、一般的な糸魚川翡翠とは別の成因・岩体のものという気もしますが・・・詳しい方いたら教えて下さい。
ただ、日本の他産地の翡翠やグアテマラやアメリカのサンベニト産の翡翠のなかには、こういう雰囲気のものを見たことがあります。




翡翠あれこれ3

最近は糸魚川の海岸で翡翠探しをする人が
特に増えてきているようですが
みなさん成果はどうなんでしょうか?

私の住む関東からはそう気軽に行ける距離ではないので
近くに住んでいる方がうらやましいですね〜

さて、とある冬のとても寒い朝に
浜で見つけたちょっと変わった翡翠を紹介します。
P9076076.jpg
翡翠 Jade 採集品
新潟県糸魚川市海岸 FoV=110mm

P9076077.jpg
同上(裏)

この翡翠、かなり粗粒の部分があって
翡翠輝石の柱状の結晶がはっきりと見えるんです。
最大8ミリを超えるものもありました!
緑色の部分は主に角閃石だと思います。

P9076078.jpg
同上 FoV=38mm

全体的に見ると圧砕翡翠のような構造をしていますが
小滝で出るようなものとはどうも違うようです。

翡翠は本当にいろんなバリエーションがあって
あきることがありませんね。

工房うるわ
鉱物コレクション

翡翠あれこれ2

関東に住んでいると
タイミングが命の翡翠探しにおいては地元の人にはとてもかないません。
それでも行けば何か答えてくれるのが糸魚川ですね。

当工房で使っている翡翠は私が採集したものもありますが
信頼できる業者様や個人の方から譲って頂いたものも多いです。
良いものを良心的な値段で譲って下さる方々には本当に感謝しています。
無駄にしないように大切に扱いたいと思っています。

さて、小さいものですが浜で見つけた翡翠です。
P9076082.jpg
翡翠 Jade 採集品
新潟県糸魚川市海岸 FoV=50mm

波打ち際で見つけた時は
一目でただものではない石だと気づきました。
色が濃いので軟玉の良いものかとも思いましたが
手にしてみて格が違うと感じました。
濡れて日の光に照らされたときには恐ろしいほど綺麗でした。
その石は乾かしてみても、なお美しく輝いていたので
良質の翡翠とわかりました。

濃緑色ですが、やや青みが入る神秘的な色です。

小滝の青と圧砕の大珠

小滝産の大珠2種の仕上げにとりかかります。

形や厚み、そして紋様のバランスをとりながら時間をかけて整形してきましたが、最後の最後まで気が抜けないのが翡翠の加工です。

青翡翠は、横川ヒスイに似ていますが小滝産とのことで入手いたしました。
やはり横川のものとはベースの質や青の入り方のパターンが若干違うような気がしています。

P9096220.jpg

翡翠というとペンライトを照射して
光の透過にこだわる方はとても多いですが
作品をつくる立場からすると
透過が良い=良い翡翠では必ずしもないと思います。

左の青翡翠なんぞは、ほとんど光を透過しませんが
古代を感じさせるような素敵な模様だと思いませんか?
磨いてピカピカにするのもよし、しっとりとマットにするも良しで
どう仕上げるか迷いそうです。

翡翠あれこれ

これも川ヒスイですが好きな翡翠です。

P9076194.jpg
翡翠 Jade 採集品
新潟県糸魚川市青海川上流 FoV=100mm

黒翡翠のなかに脈が走っていますが
その部分も翡翠で白い翡翠輝石と緑のオンファス輝石からなっています。
脈の部分は黒翡翠の部分より粗粒になっているのが興味深いですね。
翡翠の成因を考える上で何かヒントになりそうです。

P9096215.jpg
同上 FoV=30mm

暗闇を引き裂く稲妻のよう
あるいは龍のよう

そんなことを想像させるこういう翡翠も
加工しないでそのまま楽しむものですね。





お気に入りの翡翠

翡翠について語るんだったら
よほど良いものを持っているんでしょうと思われてしまいますが
実は、そんなに自慢できるようなコレクションはないのです(涙)
(加工用の翡翠はそれなりに持っていますけど・・・)

そんななかでもお気に入りの翡翠を紹介しましょう。
P9076060.jpg
翡翠 Jade 採集品
新潟県糸魚川市青海川上流 FoV=140mm

荒々しさが残る風化面がたまんないでしょう?

そして、急流によって磨かれた面から見える美しい翠(みどり)

尖った形もいいじゃないですか!
翡翠は硬いからそう簡単には丸みを帯びないんです。

黒がまじっていたり脈が走っていてたり色んな不純物があって素敵でしょう?

P9076062.jpg
別の角度から


え?緑べったりとか、白地に藤色たっぷりラベンダーとかじゃねえのかよ〜
という声が聞こえてきそうですが、こういうのがいいんです。
こういう翡翠は絶対に加工したりしませんねー

え?いいものを見つけたことがないからって、そうひねくれるなよ〜

はい。ひねくれものです。

はじめての翡翠

小さい頃から鉱物に興味があったのは、おじいちゃんが鉱山技師だったという幼稚園からの友達が、素敵な鉱物標本を色々と見せてくれたということが大きかったなと思っています。
そして高校生のときにたまたま本屋で見つけた「鉱物採集フィールドガイド」という本を手にしてからは、自ら採集に行くようになりました。

以前は現在ほど糸魚川の翡翠は知られていなかったと思うのですが、確かその本ではじめて宝石になるような石が日本でもとれると知ったと記憶しています。

はじめての「翡翠」との出会いの記憶を、以前文章にしておいたのものがあったのでそのまま引用したいと思います。
かなりカッコつけて書いてますが(笑)

jade1.jpg
翡翠輝石(岩) Jadeite
NaAlSi2O6 新潟県糸魚川市親不知 FoV=85mm


「はじめての翡翠」
はじめての出会いというのは、忘れることがないものだ。
それは石でも同じである。

今となっては記憶は定かではないが、青春18きっぷでも使って旅をしていたのだろうか。夜行列車と普通列車を乗り継いで、糸魚川の景勝地である親不知駅についたのは、日が暮れてからであった。
まったく、宿がとれなかったら野宿でもするつもりだったのだろうか?その日は前の乗換駅の公衆電話から予約した、親不知観光ホテルの一番安い部屋に泊まる予定だった。さて駅に着いてもホテルらしい建物は見当たらず、どちらの方向に歩いていいかわからずに困ってしまった。電話して聞いてみると、歩くとかなり距離があるから迎えにきてくれるという。しばらくして、わりと若い男の従業員がワゴン車にのって現れ、広い車内に似つかわしくなく僕はぽつんと一人車に乗せられた。日本海は闇に沈んでいてどこにあるかわからず、暗いカーブの多い夜道をひたすらに走っていたのだが、従業員は何の目的で来たのかとしきりに訪ねてくる。はじめのうちは「きれいなところだと聞いたので・・・」とお茶を濁していたのが「それから翡翠が採れるとか・・・」と漏らしたとたん、その従業員は合点がいったとばかりに、怒濤のように翡翠の話をはじめた。おそらくこんなところに一人で泊まりにくるなんて、翡翠探しが目的の変わり者に違いないと、うすうす気づいていたのだろう。だからあんなにもしつこく来た目的を聞いてきたに違いがなかった。

彼が地元の人から聞いた話では、確かに稀に海岸で翡翠が見つかることはあるのだという。そしてごくごく稀に宝石になるようなものがあるそうなのだが、それはそれは美しくて一目でただの石ではないとわかるくらいに波際で光輝いているのだと言う。そんな話やら、本物の翡翠には味の素のような模様が見えるだとかいう話を聞いては、明日の採集に夢を膨らませていた。しかしそれもつかの間、翡翠を拾いにくる観光客はいるけど、ほとんど「きつね石」という翡翠に似た価値のない石を拾ってくるばかりで、本物を見つける人などほとんどいないと従業員はいう。そしてしまいには「君もまず見つけられないと思うよ」と得意げに断言するので、悔しいやら腹が立つわで明日は必ず翡翠を見つけてやるぞと、よけいに闘志を掻き立たせたのであった。

朝早く起きてみると天気が良く、すぐ近くに小さな浜があったのでこれなら翡翠を見つけられるぞと意気揚々に探し始めたのだが、それらしいものは見当らない。親不知、子不知の伝説があるくらいの急峻な場所だから浜は狭く、這いつくばりながら岩伝いに次の浜まで行ってみたのだが、昨日従業員が話していた、一目で分かるという宝石になるような緑色の石などどこにも落ちている気配はない。作戦を変更して、翡翠の本来の色であると言う白っぽい石を中心に探してみることにした。怪しいものは片っ端からポケットに入れたが、一つだけちょっと変わっているなと思ったものがあったので大切にポケットの奥にしまい込んだ。さて出発の時間も近づき、完全に敗戦ムードでホテルに帰ったのだが、玄関の前で例の従業員が待ち構えていて、成果を見せてごらんという。たいしたものが採れなかったのはわかっているので、しぶしぶといくつかをポケットから取り出したのだが、最後に渡した石を見たとたん彼の顔色が変わった。「これは・・・白地に灰色が入る種類の翡翠だと思う・・・」昨日、まず採れないなどと断言して少しばつが悪くなったのかもしれない。何度もその石を見直しては、驚いたという顔をしておられた。

私の方は緑色の美しい翡翠が採れなかったという悔しさの中にも、まずとれないと言われた珍しいものを見つけられたのだという、まずまずの満足感を味わいながらホテルを後にした。よくよく眺めてみると、ただの白っぽい石なのだが緻密でどことなく風格が漂うようにも見えた。家に帰ってからじっくりと見てみると、わずかに緑色を呈する部分も見つかり、これが「翡翠」なんだと、あの従業員の驚いた顔と親不知の海を思い出しながら、何度も何度も眺め直したものだった。

あれから幾度となく糸魚川を訪れては翡翠探しをした。色のついたもっと良いものをいくらでも見つけている。今では白地に灰色の翡翠など見つけてもまず拾うことはないだろう。
だけれども、いつまでも捨てることのできない石というものがあるものだ。

はじめまして

小さい頃から石が好きで良く採りに行ってました。
そのうち石を加工するようになり
ついに石屋をはじめることになりました。

よろしくお願いします!

該当の記事は見つかりませんでした。