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工房うるわ(URUWA)の石つれづれ

採集から加工販売まで行う管理人の石(鉱物)あれこれ
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読書「美」

最近「美 見えないものをみるということ」という本を読みました。

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著者は福原 義春さんで資生堂の社長をされていた方です。

主に日本の美意識に焦点を合わせて書かれた本ですが
偏りのない視点でそのツボを押さえているなと感じました。

福原さんの文章が違和感なくすっと入ってくるのは
お客様の立場に立って物事を考える
企業人としての経験と視点をお持ちだからかなと思いました。

人間というのは本質的なところではほとんど変わっていない・・・
だからその原点である自然に触れることで
人は本来持っていた豊かな感性を取り戻せる・・・
そう繰り返し述べられていました。


作り手として座右に置いておきたい文章がありました。

「人間の遠い祖先は、魂を込めて道具を作っていた。ものづくりの分業化が始まり経済社会が誕生する前は、縄文式土器にしても衣服にしても、合理的機能や使用価値を超越した、美しい装飾が施されていたものだ。その頃の道具やものは、作った人のアイデンティティや魂と一致していたのだろうと想像する。
ところが既に書いてきたように、量産化、均一化が進む中で、道具は機能優先、性能優先のものとなり、美しさは二の次になっていった。

いま作られているものに、いいものがまったくないというわけではない。ただ創造されているものの数に比べると、完成度の高いもの、美しさのあるものが少ないのではないかという気がするのだ。」


恥ずかしながらこの本で「衒学的」(pedantic) という言葉を初めて知りました。
「美」とはおそらくその対極にある言葉で

もっと慎ましく
それでいてもっとダイナミックなものではないか?

自らを省みるきっかけとなり
新しい未来が開けたと感じる本でした。

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縄文展とイサムノグチ

久しぶりの更新になります!

この間一度糸魚川に出かけまして
加工にも使えるなかなか良い翡翠を発見し
気分良く過ごしております!

さて先日、東京国立博物館の「縄文」特別展と
東京オペラシティー アートギャラリーの「イサム・ノグチ」展を見てきました!

とても良かったです。
縄文の工芸・芸術品は日本各地の博物館等で見学はできますが
これほど多種多様な縄文の美の形が一堂に会する展示というのは
トーハクだからこそできるもの・・・しかも見せ方もうまかったです!

縄文時代の複雑なデザインの耳飾りなどを見ていると
現代に全くひけをとらないすぐれた造形感覚をもった作り手がいた事がわかります。

そういった逸材は日本各地にいたようで
お互いに影響を与えつつ
それぞれの地で特徴的なデザインの土器が作られていたようです。

それはまるで美の可能性を競いあっていたようにも感じました。

あくまでも想像ですが、言語を介さない感覚による感応があったということ・・・
それは非常に高度な文化的な交流活動であったと言い換える事ができるのかもしれません。

それにしても火焔土器などにみられる装飾は圧巻でした。
縄文の作り手の装飾を希求する心は
空間を生き生きとしたものへ変容しようとする心であり
それはまさに「生命」そのものではないかと感じました。

その生命の中には
怖さも喜びもおどろおどろしさも美しさも
カオスとして共存しているようです。

それを素直に表出させることのできたのが「縄文」で・・・

「きれい」であることを求める事で失われてしまった何かを思い出す為に
人は「縄文」に魅かれるのかもしれません。


その後行ったイサム・ノグチ展でみた「北京ドローイング」では
人体を動きのあるエネルギー体としてとらえようとする試みがみてとれました。

形にとらわれることなくそこにやどる生命の力に眼を注いだということは
縄文の人と共通するところがあると感じました。

イサム・ノグチは
「縄文」に魅かれた人物の1人である岡本太郎と親交があったようです。
おそらくその影響もあったのか
焼き物で多数の勾玉で首飾りをつくった作品があったのですが
その作品は私の眼には何かに取り憑かれたように作られたように見えました。

彼は半分はアメリカ人、半分は日本人なのですが
縄文の勾玉を自分のルーツというものを手に取る形で確かめたい・・・
そんな気持ちで夢中になって作ったのかなとも思いました。

一つ一つの勾玉の形はとても稚拙なものでした。
でもそんな子どもが遊びからつくるようなもののなかに
あらゆるしがらみから離れた芸術の本質が孕んでいるのではないか
そう彼は読んでいたようにも感じました。

型にはまった芸術を開放したいという
現代芸術の流れの中にいた彼が「縄文」に眼をむけたことは
ある意味当然のことだったのかもしれません。


私も小さな作り手の1人として
「生命」に眼を向けて制作を続けていきたいです。




遠征から帰ってきました!②

中国・四国の遠征のあと
ほとんど休む暇もなく糸魚川に出かけました!

糸魚川はいつも1人でいくのですが
今回は鉱物の大先輩をご案内する形で
海、川、ミュージアム、お店など一通りまわりました。

翡翠探しにはあまり条件が良くなかったので
自分ではあまり良いものは見つかりませんでしたが
現地のお店等をまわって7キロくらいの翡翠を仕入れてきました。
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沢山買っても使える部分はわずかなんですがね・・・

翡翠は一般のお店には加工用のいいものはなかなか出てこないし
値段も上がってきています!

日本の宝である翡翠は特に大事に加工しなくてては・・・
あらためてそう思いました!

日本海の絶品の魚介類も楽しめて良かったです。
今回は同行者がいたのであまり無茶もしなかったので
色々楽しくいい思い出になりました!

おまけに帰り北アルプスがくっきりと見えて最高でした。
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さて、これからまた少しずつ新作を作りますので
お楽しみに!

遠征から帰ってきました!①

先日、9日間に渡る中国・四国への探石の旅・・・
そしてその後出かけた糸魚川への3日間の旅から帰ってきました!

毎年参拝に行っている伊勢神宮からはじまった旅

三重→岡山→広島→愛媛→高知→岡山→鳥取→愛知→岐阜と
今まで行きたかった石の産地20カ所くらいを駆け足でまわりました。

詳細はまた後日報告できたらいいですが・・・

本当にかけがえのない素晴らしい旅になり
今後加工して作品にできそうな石も沢山見つけてきました!

ほとんど観光らしいことはできませんでしたが
半日くらいは景勝地であり昔の町並みも多く残る鞆の浦や仙酔島を歩きました。
仙酔島は仙人も酔うと書く通り
調和のとれた自然のエネルギーを感じる良い場所でした!

また道後温泉やラドン含有量日本一の三朝温泉の素晴らしいお湯につかるなど
いろんな温泉も満喫できました!

四国は山深く
かつて銅山で栄えた別子の赤石山系に登山をして
地球の深部でギュッと♡されてできたエクロジャイトや
始原的な岩石である橄欖岩に出会いました。
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苦労してたどり着いた赤石鉱山跡では
橄欖岩のなかに太いバンドとしてクロム鉱石が観察でき
正マグマ鉱床と言われるその様子は
まさにダイナミックな地球の深部を想像させるものでした!
またそのクロム鉱石に伴ってできた緑や紫の美しい鉱物は予想以上でした。

これらはまた翡翠と関連のある岩石であり
石について親しみと畏敬の念をさらに深める事が出来ました。

四国も中国地方も
何より水が美しく・・・
日本の素晴らしい自然にふれて心が洗われるようでした。
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高知で入った温泉で一休みしていたら
違うテーブルから神官の家の出だというおばあちゃんが
若い娘に向かって日本神話の話をしているのが聞こえてきました。

イザナギ・イザナミの命の話と淡路島
アマテラスとその弟スサノオの話と岩戸隠れ
ヤマトタケルの命と伊吹山
弟橘媛が自ら身を捧げた美しくも悲しい物語

日本を俯瞰するような旅をしていて
日本は各地の自然が神話とともにある不思議な国である事を
思い出させてくれる出来事でした。

改めて感じたのは・・・
大きな自然の前では
それを無視したり逆らったり
小賢しいことを考える人間の浅はかな考えなど無力だということです。

だけど人も自然の一部として正しい行いと考えをもって生きれば
自然は大きな力を貸してくれそうだという予感がしました。

作品づくりにおいても
最近は何か難しいことを考えすぎていたようだなと感じ・・・
ここで一度リセットしたほうがいいなと思いました。

撮影セット作りました!

こんばんは。

物置部屋を片付けて撮影専用の部屋をつくりました!

石の写真は太陽光が一番良いようで
色が鮮やかにでるし(特に青色)
光が踊るようなドラマチックな写真が撮れる事があります。

でも部屋にいい光が入る時間は限られているし
光の方向をうまくコントロールすることができません。
光を補おうと電球を使うと色温度があわなくて不具合が・・・

やはり室内で良い条件で撮影できたら良いのですが
本格的な器具を使ってスタジオをつくるとなると
べらぼうな金額がかかります。

アマゾンやホームセンターを走り回って
かなり安く撮影セットを作る事ができました!
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光源はLEDの昼光色で統一し
100w相当の電球を2つ天上につけてバックグラウンドの光とし
スタンドランプ3つほどを使って好みの光を演出します。

撮影ボックスは持っていたのですが
組み立てたり片付けたりも大変でした!

これで今までの撮影のストレスが減って撮影も楽しめそうです!